一般社団法人 不動産協会

都市政策

大規模プロジェクトの建設段階

大規模再開発プロジェクトの建設による経済波及効果は

大規模再開発の建設がもたらす経済への波及効果を算出するには、公的な統計である「産業連関表」を用います。ある産業分野に投じられた金額(上物建設費、基盤整備費、及び建設にともない発生した什器・備品や引越費等)が、それ以外の産業分野も含めて、どのような分野に、どのくらい金額の需要を創りだしたのかを、生産誘発額及び生産誘発率、粗付加価値誘発額及び粗付加価値誘発率、雇用誘発及び雇用誘発率等を推計することで行います。

その結果、3つのプロジェクトの総事業費(総需要)に対する生産誘発額は、それぞれ約2倍となります。また、都内の総生産の押し上げ効果分は「約1.2%」と推計されます。

東京都の名目GDPへの押し上げ効果は
GDP押上効果=粗付加価値額÷東京都の名目GDP×100

基準年次である1995年の1年間に、対象3プロジェクトの設計から供用開始に至るまでが行われたと仮定。都内総生産約80兆円に対し、対象3プロジェクトの粗付加価値誘発額は約 9,700億円ですから、都内総生産の押し上げ効果は1.20%。近年の都内GDPの成長率は概ね±1%前後を推移しており、「1.20%」とは、東京都全体の成長率を左右する水準の値となっています(プロジェクトのすべての投入が1年間で行われたと仮定)。

大規模プロジェクトの建設段階